君はここにいた。



 たしかに、そうだけど…



「さすがに、入学式をサボるのはマズくない?」


 普段の授業をサボるのもいけない事だけど。

 それぐらいだったら、今までも何度かしたことがある。


「ブラックリストに載るかもな。それか、即刻退学。他の公立中学に行ってくれ~って」

「退学?!」


 それだけは、やめてくれ。



「まぁ、そうなったら、俺がなんとかするよ」

「そうなったら困る! てか、なんとかって…何すんだよ」

「さぁ?」


 彼がニヤリと笑う。

 ちゃんと考えがあるのか、それとも全く考えていないのか、彼の表情からは読み取れない。


「とにかく、アンタは何も心配しなくて平気だよ。ほら、行こうぜ」

「イコウゼ?」


 彼の言葉をおうむ返しする。


 俺は、思いっきり顔をしかめて彼を見上げた。