君はここにいた。



 あ。






 僕の目線が一点に止まる。


 電線にとまる1羽のカラスの姿がそこにあった。



 ふと、幼い頃の記憶がよみがえる。

 あの日はたしか、小学校は運動会の次の日で休みだった。僕はひとりで田舎道を歩いていたんだ。

 小さなゲートボール場の目の前を通りかかった時、僕の視界に黒い何かが見えた。地面に黒い何かが落ちている。

 その頃、好奇心旺盛だった僕は、迷わずそれに駆け寄った。