「北小でもねぇーし、中央にはいなかったし。…西か?」

「あ、えっと…僕、1ヶ月前に越してきたばかりだから」


「あぁ…そうゆうこと」


 彼は納得したように首を上下に動かして、そして、草原の上に腰を下ろした。



 座れよ、と彼が僕に手で合図する。
 僕は一瞬戸惑ったが、彼の睨むような目つきに圧倒され、気がついたら彼の隣に腰を下ろしていた。


 温かい陽気に混じって、冷たい風が吹きぬける。
 そこから見える川の景色は、とても穏やかで美しかった。