君はここにいた。

「なぁ―― もう俺、宇佐見の友達なれるよな？」






　僕の様子をうかがうように、下から覗き込む形で聞いてくる。しかし、その顔は期待で満ち溢れた眩しいくらいの笑顔だ。




　もう負けたよ、と思わず呟きたくなるのを抑え、僕は小さくうなずいて見せた。



　すると浅葱は、僕の手を強引に取り握手するような形で握りしめた。




「よっしゃ！ よろしくな、宇佐見」




　嬉しそうに笑う浅葱。





　大機嫌いだったこの笑顔も、いまわほんのちょっとだけ、許せてしまう気がした。