やはり間近で見ても美しい。

 ついつい見惚れてしまうくらいだ。彼が女だったら、僕は速攻で惚れてしまっていただろう。


「…大丈夫か?」

「……え?」

「なんか震えてるけど。俺、そんなに強く掴んでた?」


 彼はそう言って、僕の腕を掴んでいた手を離す。

 彼が一瞬心配そうな表情をするものだから、僕は思わず勢いよく首を横に振ってしまった。


「なら、いいけど」


 あ。
 彼が安心したような柔らかい笑顔を見せた。


 その瞬間、僕の頭からさっきの恐ろしい想像は完全に消えてしまった。


 自分でも驚くくらい、キレイさっぱり。