君はここにいた。




 カラスの言うとおりだ。



 浅葱はバカなんだ。おかしいくらい直球で。





「お人好しだけど、憎めない」




 そう言うカラスの目が温かく優しげで、僕は思わず見惚れてしまった。



 こういう表情もするのか、とカラスの新しい一面を知れた気がした。



「仲良いんだ?」



 カラスはたしかに魅力的で、女の子たちがカラスにときめく理由は一緒にいてすぐにわかった。
 しかしカラスは同時に、人を寄せ付けないオーラも出している気がしていた。


 そんなカラスが気を許している。
 それはきっと、彼にとって浅葱が限られた存在なんだと直感した。