「そんなケチるなよ。あとで返すからさ~」


「そ、そんなあてどこにあるんですか!」


「あぁ? 俺らを疑うのかよ!」



 僕も精一杯の想いで対抗するが、男たちはジリジリと僕との間合いを詰めていく。



 後ずさる僕の背中がフェンスにぶつかった。
 男たちがそのフェンスをつかみ、激しく揺さぶる。



「やめてください…」



 怖さのあまり、今にも泣きだしたい気分だった。



 僕はなんて弱いのだろう。



「や、や、やめてください!」



 絞り出すように叫んだ言葉は、静かな公園に俄かに響いた。


 しかし、男たちの逆鱗により触れたようである。
 太い両腕が僕の服の襟をつかみ上げた。