「な、なんですか?」 怖さのあまり声が裏返った。 震える。 「なぁ、金貸してくれない?」 「俺らいま金なくて困ってんだよー」 俗にいう、カツアゲか。 この街にも、こういう奴等はいるんだな。 冷静に考えてみるけど、身体は震えが止まらない。 「い、嫌です…」 僕は、大きく首を振って見せる。