懐かしそうに、そしてどこか寂しそうに、小宮山が言う。
 しかし、その言葉に僕はさらに首を傾げた。


「だった……って?」



 小宮山は何も言わず、弱弱しく笑っただけだった。


 そして、持っていたカバンを肩にかけ直し、ひらひらと手を振って見せた。



「まぁ、あいつのことはあいつにしかわかんないよ。―― そろそろ戻ってくると思うから。気にしないで、残りの作業頑張って」