「そんな言い方はないんじゃない?」


 大倉をかざうわけではないけど。


「宇佐見」


 浅葱に向かって抗議しようと乗り出した僕を、小宮山がスッと制する。


 そして浅葱のうしろまで行き、その肩を軽く叩いた。


「凌ちゃん、落ち着けよ」


「……ごめん。ジュース買って頭冷やしてくるわ」


 小宮山の言葉に少し慌てるようにして、そしてどこか寂しそうな哀しそうな顔をして、浅葱は教室を飛び出していった。


 その姿を見て、小宮山が深くため息をつく。