「え?―― 先帰っていいって言ったのに」 「一緒に帰りたかったんじゃねーの?」 「アツアツだね~」 「うるさいな! けん、悪りぃ」 「あぁ、じゃあな」 教室にいたほとんどのやつが、口笛を鳴らしたりして盛り上がる。 大倉は火照った顔を隠すようにして、足早に教室を出て行った。 「ほんとあの二人ラブラブだよな」 「アツのくせに生意気な」 「しかも、藤村さんだぜ」 「いいよなぁ」