「俺にあってあいつにないもの、って何なのかなって。わからねぇんだよ」



 あの日からずっとモヤモヤしてる。



 解けない問題がある。
 答えを見つけ出してやりたいのに、わからないんだ。




「完璧すぎるあいつの…――、槝木の"欠点"を見つけたいんだ」




 ケンがますます不思議そうな顔をする。



 俺でも自分の気持ちがわからない。
 不思議な気分なんだ。





「ただ…それだけだ」