「え……? 着いた?」 あたりを見渡す。 住宅地を抜けた先。 林に囲まれた、その場所に不格好な白い建物が見える。 ―――― ここって… 思わず息をのみ、目の前の建物と槝木とを交互に見る。 【 児童養護施設 】 門のプレートに書かれた白い文字。 ここは、うちの学園付属の孤児院だ。 訳あって保護者のいない児童が集まって生活する、そんな場所だ。