君はここにいた。



――――


 公園を出てから20分くらい過ぎたと思う。


 槝木の呼吸もだいぶ落ち着いてきた。顔色もだいぶいい。 




「…もういい」



 ふと、かすれた声で槝木がつぶやく。
 そしてすぐに、俺の手を振り払おうとした。



「いいから。家まで送ってく」


 しっかりと槝木の腕をつかんだ。

 ちゃんと家まで送り届けないと、俺だって心配でたまらない。
 あんな苦しんでる姿見といてほっとけるか。
 
 




「…だから、着いたから離せ」