「オレもそう思ってた! 結菜、もうぽっちゃりじゃねーよ。デブだよな」
「ちょっとー、そんなこと言っちゃかわいそうじゃん!!」


…周りにいた女子までが参加したことで、かなり大規模な騒動になってしまった。


しかもその女の子たちも、人気者だった健太と幼なじみのあたしがバカにされているわけだから、嬉しいオーラの出ていること。


あの目つき、今でも忘れられない。


女の子だって、やっぱしオンナなんだな、って。
こわかった。


かくしてあたしは「クラスでおそらく一番のデブ」という泣ける称号を手にしてしまった。


本当に仲の良かった友だちは変わらず接してくれたし、男子とも割とフツーに過ごしてた。


けど…決定的に変わってしまったものが、一つ。
あたしが絶対に失いたくなかったもの。


健太のお嫁さんになる、っていう地位。
健太の、隣という、場所。