「綾乃ー!」

「何ー?」

「綾乃にお客さんだよ。ほら、あそこ」

「あ、了解」



私の名を呼んだ子が指さした先を見ると、一人の男の子がいた。

私が、何だろうと思いながら駆け寄ると、男の子はこう言った。



「B組の綾乃ちゃん?俺の友達が綾乃ちゃんのメアド教えてほしいって言ってるんだけど、いいかな?」

「友達って誰?」

「佐藤宏平ってんだけど…」

「あー…」




名前は聞いたことあるけど、顔が分からない。
けどま、メアドくらいなら…





「うん、いいよ」







これが、すべての元凶だった。