タケシは、
再び、海岸へと、
戻っていました。
その目的は、
一緒に、海水浴に来ていた
ユウコです。
今、何でも出来る
タケシにとって、
人間の三大欲求を
満たしたくなる事は、
自然な事なのかもしれません。

「ユウコちゃん、俺…。」

タケシは、
幼馴染であるユウコに、
秘かに想いを寄せていました。
いつの日か、
ユウコをこの手に抱きたい、
そう思い続けていました。
そのユウコを
そっと抱きかかえると、
海の家へと向かいました。
人のいない一室を
見つけると、
そこに、ユウコを寝かしました。

 鼻息を荒げながら、
ユウコの胸を
撫で下ろしました。
タケシは、
緊張のあまり、
手が震え、冷汗が
ダラダラと出てきました。

「何ビビってんだ俺、
 相手は、動いてないんだから、
 いいじゃないか。」

自分に言い聞かせながら、
水着を脱がそうと、
背中のヒモに手を
かけました。
しかし、タケシには、
それ以上の事を
する事はできませんでした。

「だめだ、俺にはできない。」

また、罪悪感が
重くのしかかってきたのです。
結局、そのまま、
海の家を後にしました。