ふんと気取った笑いを浮かべながらそう言ったのは…。


「わっ!
出たな!城戸!」


俺はサッと対戦に備えて構える。


彼女は城戸 涼(キド リョウ)という男まさりな女子で、空手何段とかで有名。


簡単に言うと、強い女子。


「朝倉は、井川とかみたいな大人しー子が好きなんだね。」


「べ、別にそんなんじゃねーしっ!」


俺は小学生みたいにムキになって言い返す。


「照れんなって。」


「て、照れてないわ!」


ドンッ

俺はノリで思いっきり城戸を叩いてしまった…。


城戸の鋭い視線が痛い。


「…朝倉ぁ?
あんた、今、あたしのこと…」


「殴ってません!
許して!」


俺、もう必至。


だって前城戸に殴られたら1週間ぐらい痣になって治んなかったんだよ。


「問答無用っ!」


「ぎゃぁぁああ!!」


べシンッ!!


城戸の鉄拳が俺の顔面にヒット。


…痛い飛び越えて死にそうだよ、俺。