「俺、大学いかないよ。」
俺がそう言うと田部はゆっくりと首を傾げた。
「なんで~?
とりあえず大学入れば、人生なんとでもなるぞ~
お前がいくら今やんちゃだからって、大学ぐらい入れるんだぞ~?」
コイツっ………
本当、最低じゃねーかっ!
俺をなんだと思ってやがるんだ!
「……っおい!
あんた、俺ん家の今の状況知ってるか?
5歳の5つ子の弟と妹、さらにはピチピチ1歳のまたまた5つ子の弟と妹がいるんだぞ!
10人の弟と妹がいて、大学行けると思うと思うか?
なぁ?」
俺は田部の服の襟を掴み思いっきり田部を揺らす。
「わ…わかった、わかった!
お前は大学に行かないんだな!」
その言葉を聞いて俺はピタッと手を止める。
「わかればいーんだよ。
わかればよ!」
そう言って俺は田部を思いっきり叩いた。
「あぃてっ!
お前は乱暴だなぁ~
まぁいい。
じゃあ、就職するってことか~?」
「おぅよ!」
俺は得意げに頷いた。