「斉藤さん、だから何度も言ってるでしょう!」


「も、申し訳ありません…」



「あのねぇ…、学生気分だと困るのよ!

もっと責任感を持って取り組んでくれる!?」


「はい…、本当にすみませんでした…」



キツイお局OLから、イヤミ混じりの説教を受けると。



今日もまた泣きそうな表情を隠すように、深く頭を下げる彼女。




「まったく…、泣けば良いっていう考えが…」


後輩イビリが得意なお局は、入社直後の彼女をターゲットにしていた。




彼女の他にも一人、女子社員が経理部には配属されたが。



彼女とも仲の良い、松下 涼子はとにかく勝気な子のようで。




おっとりしてドジな彼女に、ますます矛先が向いているようだが・・・




「頑張りますので…、ご指導宜しくお願いいたします!」


ガバッと頭を上げると、真剣な瞳でお局を捉えながら言った。