『このままやることもできますよ?ですが・・・』
私はその後の先生の言葉を待った。
『また、同じことを繰り返してしまいますね。奇跡的に靭帯がくっついたら、別ですが・・・まぁ、その可能性はないに等しいと言うか・・・』
この頃の私は、何もかも、私が1番だと思ってた。
勉強以外では。
不可能なことだって、1%の確率があるのなら、きっと神様はその1%の確率を私にくれるのだと、そう思っていた。
私なら、少しの可能性があるのなら、きっとこの膝の靭帯だってくっついてしまうんだろうって。
私はなんとも言えない、馬鹿だったから。
それでも、心がそう言っていても体がすぐに動いてしまった。
『手術・・・する』
横にいたお母さんは私の頭を抱き締めた。
私のバドミントンを1番応援していてくれたのは、お母さんだった、家族だった。
私は、その期待を裏切ることになってしまうのだろうか・・・。
『うん。わかりました。手術して、1年後には、今までみたいに動けるようになるから。手術後のリハビリはちゃんとやること。わかった?』
1年後・・・。
そうだ。
1年後、私は今よりもっと強くなる。
高校生からまた、何もかもリセットして頑張ればいい。
ねぇ、これでいいよね?
お母さん、私、高校生から、また今までみたいに頑張るからさ・・・。
私はここで何度目かわからない涙が頬を伝う。
そして、こくりと頷いた。
初めて見せた、悲しみの涙よ。
教えて・・・?
君はこれからの未来、しっかり輝く、最高の嬉し涙になれていますか・・・?―――――

