何故か隣にいるお母さんも、涙を流していた。


『大丈夫だよ、ね・・・』


そんなふうに泣き顔で言われても、説得力がなかった。


もう少しで呼ばれそうな気がして、なんとかして涙を止めようと頑張った。


上を向いて、服の裾で何度も拭いた。




『有坂さん』


そう呼ばれて私は、初めて入る部屋に緊張しながらも、自分で車椅子をおしながら入っていった。




検査している間、何度願ったんだろう。


お願いだから、私の足を奪わないで・・・私の大好きなバドミントンを、どうか・・・。