先生の車はすぐにわかる。
黒くてシンプルな車。
爽やかすぎない先生らしい香りが大好き。
後部座席に置いてあるモノクロのクッションも大好き。
ふわふわの座席もハンドルを握る先生のガッシリした腕も……
全部ぜ〜んぶ大好き。
なんて先生の車の横に立って考えていると先生が来た。
『悪い待った?』
『全然待ってないよ。』
かなり恋人同士っぽい会話。
ちょっと嬉しかったり…。
『…何やってんだよ。速く乗れよ。』
…これって。
後部座席…?
それとも先生の横?
すると先生は車内から助手席のドアを開けた。
『ここに決まってんだろ。』
助手席の座席をポンポンと叩く。
『うん…。』
ぅわ〜っ…照れるっ。

