ルチアはナイフを取り出し腕を少し切った。



『私の腕を治してみてください』



ドクドクとルチアの手から流れる血に恐怖しながらもあたしは祈った。




ルチアの手を握って唱える。



「アマナリヤ……この者の傷を癒したまえ……」




パァアァァァとルチアの体が光に覆われ、傷口が塞がっている。



腕は無傷で、流れた血の後だけが残っていた。




『姫様は飲み込みがおはやいですね』



ニッコリと笑うルチアにあたし嬉しくなる。



『覚えておいてくださいね。ではついでに…攻撃魔法も伝授致しましょう』




あたしは新しい楽しいことを教わるのに目をキラキラと輝かせていた。



後に、この魔法がなければ死ぬことになるとは知らずに………。