────ウェルト────



「一人の小娘に何をてこずっておるのだ!!!!」



アルは怒りの余り報告に来た兵士に怒鳴りちらす。



「も…申し訳ありません!!!ですが……っ」


「言い訳があるなら言ってみろ!」


「恐れながら申し上げます!少女はリクレを従わせ空を飛び、魔法を使ったのです」


「魔法を……?」




アルは「魔法」という言葉に反応する。



魔法を使えたとしても、自慢の艦隊がたった一人の少女に壊滅させられるだろうか。



そして、それ程の魔力を持った人間など世界に数えるほどしかいなかった。




「そんな超魔法を小娘が使えるわけがなかろう!」


「しかし少女が右手を振りかざした瞬間レーザーに当たったように大爆発が起こったのは確かでございます!」




アルは兵士の必死さに、信じざるをえなかった。