――魔法国・ウェルト――



王の前にひざまずく男は、あの光景を一部始終話し始めた。





「それは誠か、ユンよ」


「はいアル様!この目でしかと見届けました。」


「そうか…褒めてつかわそう」


「ありがとうございます、アル様!!」




アルは魔法国・ウェルトの王。自分の欲しいものならば手段を選ばず手に入れようとする、自己中心的な男だ。



齢、60歳。




世界の混沌の歯車をはやめたのは、アルの自己中心的な性格によるもどだと言っても過言ではない。




なぜなら、ウェルトは世界有数の魔法をさかんとする国。
戦争にも魔法を使って勝ってきたのだ。




近頃は隣国のフィグルと戦争をしそうな勢いだとか。





「フィグルはアクアの生まれ変わりを探していたのだろう?何故だと思う?」



アルはユンに問うた。


「恐れながら申し上げます。私の考えとしてはフィグルは世界の混乱を止めたいのだと思います。かつてのフィグル国の姫、アクア姫のように。」