夢から目が覚めた凜音にリオンの声が響いた。




「凜音!」



───やめて。その名前を呼ばないで。



「おい!大丈夫か!?」



───大丈夫、大丈夫だから。ほっといて…じゃないと………




虚ろな凜音の目にリオンが写った瞬間、凜音はポロポロと涙を流した。




「ふ………ぅっ」




───じゃないと、自分が自分でいられなくなっちゃうから。