風が優しく吹く気持ちのいい場所でさっきとは違って人気はなかった。 「凜音、俺食い物買ってくるから待っててな?」 「うん」 凜音はリオンに向かってニコッと笑うと、海に視線を戻した。 高台からはよく、辺りが見まわせた。 ───こんなにも世界は広いのに、あたしたちは何を見てきたのかしら……。 どこまでも広がる空に、先の見えない海。風が吹くと、森の匂いと潮の匂いが鼻をくすぐった。