記憶を閉ざされた私は、自分があの場所に生まれ育ったのだとなんの不思議も持たずに生きた。

ルチアとナヤマ、二人の愛情をたっぷりと受け、ささやかで幸せな時間を過ごしていた。


王室は、すべてが揃っているようで、本当は何もない。

父さまも母さまもまるで私に興味がな良いようで、幼い頃の私は、なぜ自分が生きていたのか、それを疑問に思うことさえあった。


ーーーーールチアの嘘つき。魔力を全部私に渡したなんて。

記憶なんて消さなくても、私は大丈夫だったよ.....


どうして?どうしてルチアは、私にそこまでしてくれたの?