「私達と、逃げましょう…」 「逃げる?どうして」 ウェルト国との戦争が始まってすぐ、ルチアは国外逃亡の話を持ちかけてきた。 「あなた様が、ここにいるからです」 「…え?」 「ウェルト国の狙いは凛音様なのです」 な、何を言ってるの? 「あたしなんか狙っても、何の意味も無いわ!」 あたしの言葉に、ルチアはひどく悲しそうな顔をした。