しばらく水中を進み、ウルは止まった。



ハテナを浮かべている凜音の前には、空気の泡を巨大化させたような空間があった。




ウルは凜音をその中に入れた。



『お前は強力な魔法にかかっている。…過去を思い出させないための魔法に』



「…………誰が…?」


『知りたいかい?全てを。お前に魔法をかけたのが誰なのか。そして、お前の存在がどれほど世界を揺るがすのか…』



―――あたしの存在が世界を揺るがす…?



「な…何を言って…っ」


―――わからない。わからないよ…。