「…森深すぎーー」


はぁはぁと息を切らしながら、森を進む。



傾斜を登って登って、かれこれ数時間。



「ちょリオンもぉ無理ー!!」


くたくたと座り込んでしまった凜音をリオンは見つめる。



「もうギブアップかよ」


リオンはフッと鼻で笑ってみせた。



負けず嫌いの凜音は案の定ワナワナと必死に立ち上がろうとする。



「くっそリオンめぇ…!うらぁ……!!」


「…オッサンかよ」


懸命な凜音を見て、リオンは微笑む。どこか寂しくて、愛おしそうな瞳で。