そっかそっかと笑いながらダイニングに戻る母を見て、これから大丈夫なのか……というか、今まで


よく大丈夫だったなと考えていた。


次郎はいつの間にか玄関に一人残されていたのでリビングに戻った。




「まだできてねえんだ」


太郎がシャワーを浴びてきたあとも、まだ母は料理を作っていた。


「まあな」


「店屋物でも頼むか? オレもう腹へって死にそうなんだけど。てか死ぬ」


「死ね」


「そう言うなって」


太郎は笑いながらまだかわいてない髪をタオルでガシガシとふいている。


「店屋物は頼むなよな。母さん頑張ってるみたいだし、できたときに店屋物きちゃったら可哀想だろ」


「次郎……お前母さんのこと結構考えてんだな」


ガシガシする手を止めて驚いたように太郎は言う。


「違うっ! 太郎がこのまま死ねばいいのにって思っていったんだ」