母が満面の笑みで言うのとは反対で、太郎は眉をひそめた。
「え……母さん、飯作んの? てか何混ぜてんの?」
「あ、それオレも思った」
太郎と次郎は母が混ぜている「何か」を指差し言う。
「ああ、これ? ナ・イ・ショ♥」
「可愛くないからな」
可愛い子ぶる母に次郎はビシッと突っ込む。
「まあ、いいや。オレはシャワー浴びてくる」
「分かったわ!」
太郎はため息をつきながら風呂場に向かった。
「じゃあ母さんは料理再開しよっと!」
「料理って言うけどオレは混ぜてる姿しか見てないんだけど……」
「細かい事は言わないの! ……あ、ちっちゃい事は「テレビで見た事をすぐに使おうとするその癖、直したほうがいいぜ」
「そう?」
「そう」

