「喧嘩して窓わったり、ドア壊したり……。まぁ、一部の男子だけなんだけどよ」
二年間ずっと一緒だと思うと憂鬱だと語る次郎。
「そんなの簡単だろ」
「何が?」
「そいつらを黙らせる方法」
「どんな方法だよ」
「フルボッコすればいいだろ」
「うんだめだよな」
暴力で解決しようとする兄をスパッと切る弟。
「そうか? 手っ取り早くていいと思うけど」
「手っ取り早いかもしれないけど、やっぱり駄目だろ」
「……なんか二回も否定されるとちょっとへこむな」
「へこめへこめ。そのまま宇宙の果てまで飛んでってしまえ」
なんだか弱っている太郎を見て、次郎はかなり調子に乗っている。
「あのさ、自分が喧嘩するのが嫌なんだろ?」
「まあ、そうかな」

