「アズは元々体弱いのか?」

『ご飯ちゃんと食べなさいって言われた 後、鉄?』

「貧血か 生レバー食え」

『牛を倒せないから無理だ』

「丸かじりから離れなさい。」

『ほら ひとりになった時期にさ』
「うん」

『最初、冷蔵庫に何にもなくて
数日後に、お財布の存在を
思い出して探したんだけど
洗剤とかしかなくって

−庭にさ 柿が、なってたの』

「うん」

『頑張ってとって
でも渋柿でね
やばい!食べられない!って
思ったんだけど
むかーし 誰かが
渋柿は干すと甘くなるって
話してたの思い出したの

んで、糸だして来て
繋げて 干したのね

一週間位して!成功したんだよ!
すごくない?!』

「…すごいけど
だいぶ話がズレて来たな
そういう事多かったのか」

『うん
だから 小学校の給食だけが
一日のご飯 』

「…土日は?」

『洗濯』

「夏休みとかは」

『二週間
水だけで生きていられる実験期間だった』

「………」

『三週間目に
偶然おばあちゃんが来て
その日はお粥だったよ』

「病院行ったのか」

『保険証なかったみたい
今はあるよ』

「普通に話してるけど…
それ壮絶だぞ? 」

『そうなのかなあ
…街とかで遊んでた時
家出して、
ツテで色々泊まらせてもらったり
たまり場みたいな所行ったけど
似た様な人、結構いたよ』

「たまり場か」

『あ イメージ悪いけど
ああいうとこも色々あって
ホントに共同生活、『金持ってる奴、飯だせや〜』みたいな感じで
男女雑魚寝とかもあったけど
私1番ちびっ子だったし
何かされたとか一回も無かったよ』

「…馬鹿だから
相手にされなかったんだべ」

『あはは そうかも!
頭丸刈りにしてたから
あだな、ボウズだったし』

「薬飲め 辛いんだろ」

『何で?』

「おまえ良く喋る時は そう
それからまた、少し寝ろや」

『淳こそ ねてないよ』

「俺は元々3〜4時間しか寝ない」

『夢とかは?』

「あんまり見ないな」

『映画とか見ると、超ド派手とかの
そういう夢みない?』

「見ないね」