突然聞こえてきた子どもの声に驚いて、ここがスーパーだったことを思い出した。


お目当てのお菓子を持ってお母さんの所に走っていくその子を見て、こんなところで見つめあっていたことが急に恥ずかしくなって2人で笑った。


「…さっさと買い物して帰るか。」


ずっとつないだままの手をさらにぎゅっと握って、村山さんが笑いながらそう言った。