「鈴夏行くぞ」




イヤホンを直し、
あたしの腕を握った篤希。





後ろには、
無表情の壱くん。




「ちょっと、篤希、痛いよっ」
「…あ、ワリ」
「どうしたの?」






階段下で立ち止まった。




「あいつはやめとけ」
「え?」
「遊びだから」
「…ん、大丈夫だよ?」
「は?」
「だって篤希以外無理だから!」





とあたしは
篤希に抱きついた。




「は、離れろって」
「嫌ぁ~」





篤希以外スキになれるわけない!
篤希依存症は治らないからね。