初雪が、温もりでとけたとき




千佳ちゃんに言われたとおり黒板を見る。
そこには席順が書かれていた。
でも、出席番号で書いてあって、雪乃は分からない。



「ちなみに、雪乃の出席番号11番ね。」



すでに席に座り始めながら千佳ちゃんは教えてくれた。


えーっと…11番…11番…。
あった!
一列目の一番最後。
千佳ちゃんは三列目の一番最後。
遠い………。



「あ、雪乃ちゃんじゃん!」


「へっ…?あっ、茂野君!」



テンションが下がってた雪乃にテンション高めで声をかけてきたのは茂野君。
由季ちゃんと仲のよかった部活友達。
そっか、茂野君も1組だったんだ。なんとなくホッ。



「同じクラスだったんだね。」


「俺も驚き。久々だねぇ。」


「うん。そーだね。」


「またお菓子作ってきてよ。
俺、ひそかに雪乃ちゃんのお菓子ファンだから!」