初雪が、温もりでとけたとき




「はぁー…。」と一度溜め息をつき、ドアを開ける。



「ただいま!」


「あら、おかえりなさい。」


「夕ご飯は?」


「先に手を洗っちゃいなさい。」


「はぁい。」



プクッとわざと頬を膨らませながら、洗面所に向かう。
そういえば…昨日は雪乃が大好きなものだったから…今日は苦手なものかなぁ。
オムレツ食べたいなぁ。
なんて…出るわけないか。



1人で苦笑し、リビングに入ると、一瞬にして雪乃は目を見開いた。



「オムレツだ…。」


「あら、どうかしたの?」