初雪が、温もりでとけたとき




少しうつむき、視界がアスファルトになったとき、ポンポンと頭を撫でられた。
とっさに由季ちゃんを見ると、どこか痛々しい笑顔だった。



「したっけ。」


「したっけ…。」



由季ちゃんとの別れ道。
由季ちゃんは手を大きく振っていて、雪乃はどうしても作り笑顔になった。


1人で歩き出し、何度も足を止めた。
でも、また歩きだした。
由季ちゃん…雪乃は、力になれないくらい、力不足かな?
それとも…雪乃には言えないこと?



「…っ、んなことないもん!」



とんでもないことを考えてた。雪乃は、由季ちゃんを信じる…そう決めたのに。