「テーマは冬。」
その一言から始まった詩書き。たくさんのテーマをして、黒板が真っ白になり始めた頃、代々木さんがクスクス笑った。
「新橋さん、センスあるわ。どう?文芸部にこない?」
「あ…ありがとう。でも、雪乃は、由季ちゃんを待っていたいから。」
控えめに言うと、代々木さんはさらに声を上げて笑った。
「恵比寿くんは愛されてるわね。じゃあ、放課後はいつもここにいるのね?」
「はい。」
「じゃああたしも、毎日ここに残るわ。」
「でも部活……。」
「家でもできるもの。」
ニコッと微笑んだ代々木さんは有無を言わせない顔をしていた。
それに雪乃自身、今日は楽しかったし、1人より2人の方が嬉しかった。

