初雪が、温もりでとけたとき




あの日以来、シャンプーもリンスーもトリートメントも変えてないんだ。



「いってきます!」


「行ってらっしゃい。あ、これ。」


「ありがとう!」



由季ちゃんに合う女の子になりたい。
だから、朝はウォーキングもかねて、ゆっくり歩くの。
朝ご飯の代わりに、飲むヨーグルトを飲みながら。



「寒い…。」



かじかみそうな手に息を吹きかけながら、雪乃はいつもの場所で足を止める。
由季ちゃんは、きっとあの角を走ってくる。
なぁーんてね。