ピピピ ピピピ♪ 「――……。」 目覚まし時計のリズムよい音で、目が覚めた。 見慣れた天井で、さっきまで夢を見ていたことに気づく。 さっきまで…あの日のこと見てた……。由季ちゃん…。 「いけない。時間!」 パチッと頬を軽く叩き、眠気を覚ます。 アイロンをかけた制服を身にまとい、チェストの前に座った。 ドライヤーのスイッチをいれるたびに、思い出す。 『俺、雪乃の髪好き。』 付き合ったばかりの頃、由季ちゃんが言ってくれたよね。