初雪が、温もりでとけたとき




初雪は、初恋が実らないように、積もらない。


でも、雪乃の初恋は実った。
だっていつか、初雪も積もるかもしれないじゃない。



♪~♪~♪



「はい…。」


『雪乃ちゃんっ!?落ち着いて聞いて…うぅ…ゆ、由季がっ…。』



嗚咽を堪える五反田先輩の電話が、なにを意味するか、なんとなく分かってた。


五反田先輩は後輩の前で泣くような人じゃないから。



『由季がっ…トラックにっ…。』



なんで…?
由季ちゃん。


なんで、由季ちゃんなんですか?


どうして、今なんですか?


由季ちゃんとなら、雪乃も一緒に…逝きたかったよ…。