「しかし、ここは出るというし…」


「おまけにこの中に入った者は二度と戻って来れないっていう噂ですよ!?」



少し逃げ腰になっている塚原と古橋に加賀美は溜め息をつく。



「大の大人ががみっともない。霊なんてそんな非科学的なものがいるわけないでしょ。」



加賀美は構わず病院の入り口に向かって歩きだす。


塚原と古橋がどうしようか迷っている横を村上が通り過ぎていく。



「俺は霊はいると思うぜ?特にこんな廃病院なんて最高の住処じゃねーか。」



村上はくくっと笑いながら怪しい笑みを浮かべた。


彼は調査に来た刑事というよりこの未知なる建物を探検しにきた子供といったノリである。