「やっぱりそれなりに雰囲気あるわね…」


「おい加賀美、やっぱり止めないか?」


「そっそうですよ!」



今会話を交わしたのは今ではもう使われていないこの廃れた“北澤記念病院”に調査に来た刑事である。


上から順に加賀美亜紀(かがみあき)、加賀美と同期である塚原雅也(つかはらまさや)、更に二人より三つ下の古橋義博(ふるはしよしひろ)である。



「仕方ないだろ?この廃病院にもしかしたら強盗殺人の容疑者がいるかもしれないんだから。」



既に到着している三人よりやや遅れてやって来たのは同じく刑事、村上俊輔(むらかみしゅんすけ)である。


強盗殺人犯が潜んでいるかもしれないと通報があったので四人はそれを調べに来たのだ。