夜八時、二人はさっそく三人の部屋へ向かう。


最初に向かったのは202に住む学生の部屋。



ピンポーン



「はい。」



出てきたのは品の良さそうな女性。


多分金持ちだ。


いや、絶対金持ちだ。


でなきゃ普通の大学に通う学生がわざわざこんな家賃の高いアパートに住むはずがない。


二人は脳裏でそんな事を思いながら本題に入る。



「深夜一時ですか?私そんな遅くに帰宅したことはないですね。」


「そうですか。何かすみませんでした。変な事を訊いて。」


「別にいいですよ。それより大変ですね。私ももし遅くなるような事があればきをつけますね。」


「あっ、すみません。ありがとうございます。」



二人は丁寧に頭を下げてから部屋を後にした。