なつめが入居してから更に一ヶ月後のある夜。



トントントン



階段横である可南子の部屋に階段を上る音が響いてきた。


時刻は深夜一時。



「こんな遅くに…誰だろう?」



二階までしかないこのアパートで現在二階に住んでいるのは可南子となつめ、更に学生が一人にサラリーマンが一人、後何の仕事をしているのか分からない若い男性一人。


可南子の予想ではサラリーマンか若い男性のどちらかがどこかで呑んできたのであろう、だった。


この日はとくにそれ以上は考えず眠りについた。


だがこの階段を上る音はそれから毎晩決まって深夜一時に聞こえるようになった。