蝙蝠伯爵-ｺｳﾓﾘﾊｸｼｬｸ-

翌日、朝目覚めると少し頭に痛みを感じた。



（頭痛か…）



頭を押さえながらも、学校に行く支度をする。



「母さん、何か頭痛薬とかない？」



リビングに入り朝食の準備をしている美代子に訊ねる。



「あら、風邪？」


「わからん。」


「勉強のし過ぎじゃない？もう少し肩の力抜いたら？」



そう言って薬を取りに行った。



「はい。これでも飲んでおきなさい。」



手渡された錠剤薬を飲むと食パンを少しかじりそのまま家を出た。



（あー、ガンガンする…。）



歩きながらも痛む頭を押さえている。


学校まで後少しというところまで来た誠はそこであることに気付いた。



（……あれ？また付けられてる？）



歩き始めは頭の痛みに意識がいっていて気付かなかったが、いつからかまた付けられていたのだ。


誠は立ち止まり後ろを振り向く。